今週の見通し・為替 円相場、神経質な展開に
 円相場は今週、神経質な展開になるとの見方が多い。人民元切り上げや日本の郵政民営化法案を巡る政局の行方に不透明感が残っているためだ。市場参加者の予測は1ドル=109円台半ば―113円程度が中心となっている。



 先週は日米金利差などを材料に113円台後半まで下落したが、21日には人民元切り上げを受けて一時、109円台に急騰した。元追加切り上げの観測が根強い間は、中国と経済的な関係が深く地理的に近い日本の円は上昇しやすい。中国当局による人民元相場の管理手法にも不透明な点が残るため、人民元絡みの思惑で円が乱高下する可能性もある。



 郵政民営化法案の審議に対する関心も高い。混迷の度合いが強まれば、衆議院の解散・総選挙を意識した円売りが膨らみそうだ。



 米利上げ継続により日米金利差が拡大するとの観測は健在で、ドルを引き続き支えるとの見方も多い。29日発表の日本の6月の鉱工業生産や4―6月期の米国内総生産(GDP)、27日の米地区連銀経済報告で、日米の景況感を見極めたいとの声も多い。